(以下レーベルによる解説)
内橋和久のアルタード・ステイツ、灰野敬二の静寂、吉田達也の是巨人やワールド・ヘリテイジ、今堀恒雄のウンベルティポ。最先端の音楽シーンにはベーシストとして必ずこの男がいる。ナスノミツル。一見柔和なその表情の、奥底に秘める凶暴かつ狂気のダークサイドをクールに音で表現しようというユニットが tenelevenだ。メンバーはナスノ(ベース)の他に、二人のキーボード(シンセサイザー)奏者=坂口光央と南方美智子、ドラムに山本達久。ライブ映像にササキヒデアキ。
この作品は記念すべき teneleven のファースト・アルバムである。シーンへのカウンターであり、強烈なステイトメントを持つ本作品は、タンジェリン・ドリーム、クラウス・シュルツ、カン、アシュラ、ノイ!などのクラウト・ロック、あるいは英国プログレに連なるサウンドが特徴であるが、そこにインプロヴィゼイション、ノイズ、サンプリングされた具体音などの要素が加わり、ステレオタイプの「プログレ」に収まらない現代性を持つ。多様な音楽シーンを駆け抜けてきたナスノのある意味の集大成とも言えるだろう。ゲストに中村達也(LOSALIOS, FRICTION, etc. / drums on 5 & 8)、渡部沙智子(vocal on 5)が参加し、更にサウンドに広がりを加えている。
録音、編集、ミックスに非常に時間をかけ丁寧に作られたものであることは一聴すればお分りいただけると思うが、そのエンジニアリングは現ROVOのキーボード奏者・益子樹によるもの。その音質も注意深く聴いていただきたい。ジャケットは teneleven の映像・ササキヒデアキ。ライブではアブストラクトで圧倒的な映像表現を見せてくれるササキならではの秀逸なデザインである。
teneleven:ナスノミツル(bass)、坂口光央(sinthesizer, noises)、南方美智子(sinthesizer, sampling)、山本達久(drums, cymbals and percussion)、ササキヒデアキ(visual arts)
guest musicians:中村達也(from LOSALIOS, FRICTION / drums on 5 & 8)、渡部沙智子(voices on 5)
1. figure(8:33)
2. cloud(wait-and-see attitude part 1 / 8:55)
3. split(wait-and-see attitude part 2 / 7:05)
4. migrator(8:05)
5. coyote(5:36)
6. discovery(6:34)
7. schulze(8:00)
8. dark side of the moon flower(7:59)
REVIEW
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