DJ SNIFF が歴史的物語や個人的記憶からインスピレーションを得て構築した作品『Parallel Traces of the Jewel Voice』が Discrepant より。
DJ SNIFF の『Parallel Traces of the Jewel Voice』。DJ SNIFF が 1945年8月15日の玉音放送を中心に構築した、歴史的物語や個人的な記憶からインスピレーションを得たプロジェクトです。流暢な日本語を話す台湾の高齢者へのインタビューとフィールド・レコーディング、78回転レコード盤からのオーディオ・サンプル、即興のミュージシャンとのレコーディング・セッション、中国語の降伏に関する詔書の再読など、3年間に渡り収集された資料から構築された、サウンド・コラージュ的に展開される興味深いアルバムです。
本作は片面プレスとなり、テクノのレコードなどでも時折見かけた、2トラックが2本の並行な溝としてプレスされていて、針を落とす位置で異なる2つのトラックを再生します。もう片面にはシルクスクリーン印刷が施されています。2本の溝を2枚のヴァイナルで同時に再生したり、それぞれ別の位置から再生を試みたりすることでこの作品の新たな発見につながる様にも思います。
※こちらの試聴では2本の溝が左右のチャンネルに分かれて再生されています。
| dj sniff プロフィール |
1978年生。ターンテーブル奏者、DJ、キュレーター。実験音楽/インプロビゼーション/電子音楽の分野で活動。1995年にDJ活動開始。2001年にミックスCD 「Deframed Memories+-」をリリース後渡米。ITP で修士課程を終了後、アムステルダムに移住し、STEIM の電子楽器、アーティスティックディレクターを長年務める。2012年から2017年まで香港の城市大學 School of Creative Media 客員助教授で、現在アジアン・ミーティング・フェスティバルの共同ディレクターでもあります。彼のプレイはいわゆるマスイメージの「DJ」とは大きく異なり、ターンテーブルに加え独自の演奏ツールを組み合わせながら音楽が構築されていきます。2014年には doubtmusic の数々の音源を再構築したアルバム 『dj sniff、ダウトミュージックを斬る (DJ SNIFF Incredulous Cuts - Reinterpretations Of The 'doubtmusic' Catalogue)』をリリース。
REVIEW
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