16分に及ぶ「R.I.P. Old Dirty Bath Towel」(タイトルは、ウータン・クランのメンバーでもあったオール・ダーティ・バスタードへのリスペクトでもありパロディ)は、ひとつの音のサーガでもあるような大きな展開を見せ、今後のヘア・スタイリスティックスの方向を暗示させる曲ともなっている。
本人描き下ろしによるジャケット。
12ヶ月連続発売 Monthly Hair Stylisticsシリーズについて中原昌也はこんなことを語っている。「例えば、最初に小説を書いた人は、小説を書きたいと思って書いたわけじゃないのに、どうしてそんなものができたんだろう、とそこまで考えるわけですよね。じゃあ自分の意思と関係なく、しょうがなく書くということもあり得るわけです」(文藝春秋社『文學界』08年4月号掲載座談会「ニッポンの小説はどこへ行くのか」より)。
ここで語られる「小説」を「音楽」に置き換えてみたとき、今回のシリーズの大いなる視線が浮かび上がってくる。果たしてこのアルバムを作っているのは、中原昌也なのか? アナログ・テープなのか? あるいは中原の元に日々届けられるさまざまな音や映像や言葉の群れなのか?
REVIEW
Related Items
-
-
DIE LIKE A DOG / Fragments of Music, Life and Death of Albert Ayler (2LP)
-
BRÖTZMANN | VAN HOVE | BENNINK & MANGELSDORFF / Outspan No. 1 (LP)
-
-
PETER BRÖTZMANN / MISHA MENGELBERG / HAN BENNINK - 3 Points And A Mountain (LP)
-
-
-
-
柳ジョージ+NADJAバンド / 祭りばやしが聞こえる (George Yanagi+NADJA BAND / Matsuri Bayashi ga Kikoeru) (LP)
-
-
-