ILHAN MIMAROGLU / Agitation (CD)

ILHAN MIMAROGLU の貴重な２枚のアルバムを収録し、Locust Music から2004年にリリースされた『Agitation』。

ILHAN MIMAROGLU の『Agitation』。1975年と1976年に Folkways Records からリリースされた ILHAN MIMAROGLU の貴重な２枚のアルバム、｢Tract: A Composition of Agitprop Music for Electromagnetic Tape」と「To Kill a Sunrise / La Ruche」が収録されています。これは露骨に政治的な音楽であり、複雑で実験的な音楽でもあります。エレクトロニクス、ミュージック・コンクレート、複数メディアの断片、ボーカルおよび楽器ソースが強力かつ効果的にミックスされたサウンドは、コンセプトに埋没し漂白された音楽ではなく、生々しく歪な即時性を引き受け、冷める事のない熱を帯びた作品に仕上がっています。

｢Tract: A Composition of Agitprop Music for Electromagnetic Tape」は、70年代初頭にトルコで起こった政治的弾圧から部分的にインスピレーションを得た作品で、広大なコラージュのように展開される音の塊です。テキストには、ドイツの劇作家・詩人ベルトルト・ブレヒト、トルコの詩人ナーズム・ヒクメット、ロシアの思想家・哲学者ミハイル・バクーニン、その他の歴史的および文化的人物の著作に基づく、またはそこから引用されたものが含まれています。サウンドと政治の関わらせ方は、ジャン＝リュック・ゴダールの映画をも思い起こさせます。

非常にドラマティックで陰惨な「To Kill A Sunrise: A Requiem For those Shot in the Back」は、とりわけグアテマラの詩人マルコ・アントニオ・フローレスの作品とチェ・ゲバラの著作からテキストを引用しています。ある一節では、反革命勢力によって殺害された政治指導者や活動家の名前を連呼するスピーカーに不協和音が重なり合い、別のセクションでは不気味な音雲が頭上に集まる中、少年がチェ・ゲバラの解剖報告書を朗読し、20分間の作品が不穏な結末に向かうにつれて、言葉はますます身のすくむような音楽にかき消されます。

インストゥルメンタル曲「La Ruche」がこの強力なアルバムを締めくくります。

トルコ生まれの作曲家 ILHAN MIMAROGLU は、1973年にグッゲンハイム美術館で開催された、｢アール・ブリュット」を提唱したフランスの画家ジャン・デュビュッフェ『Coucou Bazar』展のためのサウンドトラックを製作したことでも知られます。

＊シールドはされていません。

Tracklist
1. Tract: A Composition Of Agitprop Music For Electromagnetic Tape (1972-74) 35:04
Performer [l'Internationale] - Groupe 17
Text By [Based On Direct And Paraphrased Quotations] – Bertolt Brecht, Eugene Pottier, Jean-Baptiste Clement, Karl Marx, Mahir Çayan, Mao Tse-tung, Alexander Bakunin, Nâzim Hikmet, Piotr Kropotkin
Voice - Nâzim Hikmet
1-1. Tract: A Composition Of Agitprop Music For Electromagnetic Tape 18:50
1-2. Tract: A Composition Of Agitprop Music For Electromagnetic Tape Part II 16:54
2. To Kill A Sunrise: A Requiem For Those Shot In The Back (1974) 19:39
Text By [Ensemble Speakers] - Ilhan Mimaroglu
Text By [Singer] - Che Guevara
Text By [Solo Speakers] - Marco Antonio Flores
Vocals [Singer] - Mary Ann Hoxworth
Voice [Ensemble Speakers] - Ann McMillan, Basil Pao, Chris Washington, Clarence Bullard, Gugor Bozkurt, Ken Anderson, Laura Franco, Manfred Bormann
Voice [Solo Speakers] - Chris Washington, Geoffrey Gursoy
3. La Ruche: An Elegy For Electromagnetic Tape (1968) 22:20
Cello - Jacques Wiederkehr
Directed By [Musical Direction] - Jean-Paul Holstein
Harpsichord - Michel Merlet
Piano - Martine Josie