「もしエリック・サティが一世紀後に生まれたらパスカル・コムラードという名前だったかもしれない」と言われるパスカル・コムラード(key)がソロ活動以前の81年にフローレンス・バートン(vo)、テリー・デン(g)と結成したトリオの81年から84年にかけて録音された貴重な音源をまとめた発掘盤。トリオはザ・レインコーツやディス・ヒート、タキシード・ムーン、エトロン・フー・ルルーブランなど一緒にフェスティヴァルに出演する他、バンドの作品としては83年に今作に収録されている6曲入りEP『Fall Of Saigon』を1枚発表したのみ。
内容は80年代前半のニュー・ウェイヴ・シーンの匂いが濃厚に漂うもので、フローレンス嬢の抑揚を抑えたクールなヴォーカルや、リズム・ボックスの質感やオルガンのうねりなど、当時のネオ・アクースティック”系の流れを汲みつつも、その枠だけに収まらない魅力があり、CANやファウスト等のジャーマン・ロックの影響も受けていたという世界が顔をのぞかせる。今作には貴重なライヴ音源も収録され、クラフトワーク、ドアーズ、テレヴィジョン・パーソナリティーズのカヴァーを披露し、彼ら特有の毒気のあるナンバーへと生まれ変わっている。パスカル・コムラードやアヴァン・ポップ・リスナーはもちろん、ニュー・ウェイヴやポスト・パンクのファンの人たちにお薦めしたい1枚。
日本語解説付 解説: 大鷹俊一
TRACKLIST:
01. Visions / 02. Blue Eyes / 03. She Leaves Me Alone / 04. So Long / 05. On The Beach At Fontana / 06. The Swimmer / 07. The Model (KRAFTWERK) / 08. Part-Time Punks (TELEVISION PERSONALITIES) / 09. The End (THE DOORS) / 10. Andalucia / 11. I'll Never Be Back / 12. Sha La La La / 13. Let It Go
REVIEW
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