WHYTE HORSES (DOM THOMAS) / Frosinone MixTape (CD-R)

WHYTE HORSES の『Frosinone MixTape』。FINDERS KEEPERS、B-MUSIC の中核メンバーであり、JUSTIN VELOR名義でのトラック制作も精力的に行っているDJ/プロデューサー DOM THOMAS の限定ミックスCD-R『Frosinone MixTape』。本作はドム・トーマスのサイケフォーク・バンド WHYTE HORSES の世界観を補完するMIXという位置づけの白昼夢ミックス。

本作のアーティスト名義 WHYTE HORSES はドム・トーマスが手掛けるバンド・プロジェクトの名前でもあります。イタリアの地方都市で3か月に渡り録音されたそのプロジェクトは、女の子をヴォーカルに据えた生音のサイケデリック・ロック/アシッド・フォークですが、本作はその WHYTE HORSES の世界観を補完するMIXという位置づけのようです。ミシェル・コロンビエ (フランス) やコラージュ (エストニア)、アーサー・ラッセル、キム・ジュンミ (韓国)、エルキン・コライ (トルコ) など洋の東西や時代を越えた「ソフトなサイケデリック感覚」で統一された極上の酩酊お昼寝MIXとなっており、所謂60年代のサイケに興味が無い人でも興味深く堪能出来ます。中盤に配された MARK FRY の「DOWN NARROW STREETS」から PIERO PICCIONI の「C'ERA UNA VOLTA」への流れは正に白昼夢です。

トルコやインド、南米など、様々な国のビートを鮮やかにミックスする彼の作品は好事家の注目を集めてはいるが、その出自については謎に包まれていると言って良いだろう。ドム・トーマスは生粋のマンチェスター育ち、アンディ・ヴォーテルと10代のころからツルんでいたという。伝説のクラブ「ハシエンダ」では、その末期に1度だけプレイした経験を持つ。ローカルDJや周りの仲間 (後に B-MUSIC を形成することになる) からの影響を自らのプレイに反映させるうち、次第に通常のジャズ/ファンクやディスコ/ダンスクラシックから独自のネタを発掘するようになる。そしてトルコのイスタンブールなど現地でのディグを重ね、現在のスタイルを確立した。