トルコやインド、南米など、様々な国のビートを鮮やかにミックスする彼の作品は好事家の注目を集めてはいるが、その出自については謎に包まれていると言って良いだろう。ドム・トーマスは生粋のマンチェスター育ち、アンディ・ヴォーテルと10代のころからツルんでいたという。伝説のクラブ「ハシエンダ」では、その末期に1度だけプレイした経験を持つ。ローカルDJや周りの仲間 (後に B-MUSIC を形成することになる) からの影響を自らのプレイに反映させるうち、次第に通常のジャズ/ファンクやディスコ/ダンスクラシックから独自のネタを発掘するようになる。そしてトルコのイスタンブールなど現地でのディグを重ね、現在のスタイルを確立した。
インド、トルコ、フランスに続いて今回彼が選んだのはブラジル。サイケデリックとファンク、何よりも美しいメロディに溢れるトロピカリア・チューンを惜しげもなくセレクト!これまで FAT CITY からリリースされてきた彼のミックスの中でも、しばしばハイライト・チューンになっていたブラジルネタだが、「サイケ感」をテーマにまとめられた本作でドムのブラジル偏愛っぷりが良くわかるはずだ。ガル・コスタ、ジルベルト・ジル、カエターノ・ヴェローゾ、ムタンチスなどトロピカリアの代表的な面々から、ロベルト・カルロス、エラスモ・カルロスら男っぽいMPB、ファズとファンクビートに溢れた SYDNEY MILLER & OS BRAZOES などなど、サイケデリック&メロウなブラジルを堪能できます。
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