故アンドリュー・ウェザオール率いる THE SABRES OF PARADISE の長らく廃盤だったファースト『Sabresonic』が、リリースから 30 年を経て「Smokebelch II (Beatless Mix)」も収録しリマスター再発。

THE SABRES OF PARADISE の『Sabresonic』。故アンドリュー・ウェザオール率いる THE SABRES OF PARADISE の、長らく廃盤だった 1993 年デビュー・アルバム『Sabresonic』がリリースから 30 年を経てリマスター再発。オリジナルリリース以降、アナログ LP 盤および CD は長らく入手困難となっていましたが、今回、マット・コルトンによってオリジナル・テープからリマスタリングされ、オリジナルでは付属の７インチに収録されていた「Smokebelch II (Beatless Mix)」が２枚組 LP に収録されている。

このアルバムは、プライマル・スクリームの代表作「Screamadelica」での制作や、ニュー・オーダー、マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン、ハッピー・マンデーズといったアーティストの革新的なリミックスで評価を高めたアンドリュー・ウェザオールが、次のステップとして着手したものである。彼の活動範囲はインディー・ロックファンからレイヴァーまで幅広く、彼への注目度が高まる中で、ジャグズ・クーナーとゲイリー・バーンズとのスタジオ・パートナーシップが誕生し、制作トリオ「ザ・セイバーズ・オブ・パラダイス」が結成された (この名前は、ロシアの侵略に抵抗するイスラムの族長を描いた 1960 年の書籍から取られている)。

アルバム冒頭の楽曲は、プライマル・スクリームの「Don’t Fight It Feel It」のリミックスとして始まったが、あまりにも大胆に変化したため、全く新しい楽曲へと姿を変えた。また「Inter-Legen-Ten-ko」は、当時流行していた IDM というジャンル名に対する皮肉を含んでおり、同時代のダンス・ミュージックに対する彼らなりの回答も見られる。さらに「R.S.D」は「Red Stripe Dub」の略であり、キング・タビーやリー・ペリーらが発明したダブの深い影響がアルバムの随所に表れている。一方、14分を超える壮大な「Clock Factory」は、90 年代以降の Coil のようなインダストリアル系グループの電子音響実験に着想を得た作品である。

そして「Smokebelch II (Beatless Mix)」は、ハウス・ミュージックの重鎮ラモント・ブッカーの楽曲を美しく再構築したタイムレスな名曲であり、以後のチルアウト・コンピレーション CD での定番ともなった。

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Tracklist
A1. Still Fighting / A2. Smokebelch I
B1. Clock Factory
C1. Ano Electro (Andante) / C2. R.S.D.
D1. Inter-Lergen-Ten-ko / D2. Ano Electro (Allegro) / D3. Smokebelch II (Beatless Mix)