SIMON FINN 幻のアルバム『Pass The Distance』。わずか一枚のアルバムだけを残し、35年ものあいだ忽然と消息を絶った孤高のフォークシンガー SIMON FINN (サイモン・フィン)。CURRENT 93 をはじめ、あまたの異端のアーティストに影響を与えた幻のアルバム『Pass The Distance』が2009年デジタル・リマスターでついに国内盤初リイシュー。

1970年、英国 MUSHROOM レーベルより発表されたオリジナルLPを可能な限り忠実に再現した紙ジャケット仕様。（オリジナルLPレーベルを踏襲した盤面デザイン、オリジナルLPに付属していたインサートも完全にミニチュア化。）ボーナストラックには世界初登場となる「Feeling in My Fest」を含む、6曲を追加収録。アーティスト自身のコメント、歌詞対訳を掲載した小冊子付き。限定1000枚プレス。

「Pass The Distance」をはじめて聴いたのは、90年代初頭、友達にダビングしてもらったカセットテープでした。当時情報の無かった僕は、友達が言った「サイモン・フィンはこのレコードが売れなさすぎて自殺したらしい」という全くの嘘情報を信じていました。それぐらい切羽詰った、孤独感漂う歌だったからです。A面ラスト（CDでは5曲目）の熱唱のあと、カセットテープに小さく録音されていた、カチッと針が上がる音と、その後の静寂が侘びしくて、何度も聴きました。今回、久々に聴きなおしましたが、やはりこれは大名盤です。
（坂本慎太郎/ゆらゆら帝国）

おそらく60's後半から70's前半にかけてのイギリス・フリーク・アンダーグラウンドから生まれた、最も奇妙で幻覚的、そして特異なアルバムだ。初めて聴いて以来ずっと私はその魅力に取り憑かれている。無垢、始原、虚無が織りなす「不朽の名作」。
（DAVID TIBET/CURRENT 93）