超音波、周波数、そして音そのものの持つ本質的な特性の細部に焦点を当て、数学的なアプローチを用いて人間の知覚能力やテクノロジーの臨界点に挑むような革新的な作品を発表している電子音楽作曲家/アーティスト池田亮司。前作「Test Pattern」(2008年) から5年振り9枚目のアルバムとなる本作『Supercodex』は、池田が2005年から開始した「音のデータ」と「データの音」の間にあるポテンシャルを探求するプロジェクトとしてドイツの Raster-Noton レーベルよりリリースしてきた「Dataplex」、「Test Pattern」に続くアルバムであり、本作を以て3部作として完結する。
本作『Supercodex』は、現代社会に広がる不可視なデータを知覚することをテーマとしたアートプロジェクト「Datamatics」から派生した作品でもある前2作「Dataplex」、「Test Pattern」の音楽を、統合、選別、そして再/脱/超構築して制作された。データから生み出され、選び抜かれたパルス・トーンを非常に緻密に複雑に構築し、時間の感覚を忘れさせるような圧倒なスピードを伴うリズムや、ノイズの集合体のように爆発力のある攻撃的なビートが展開されていく。まるで世界中のあらゆるデータが電子音の粒子となって押し寄せてくるかのような圧倒的な聴覚体験。また、本作は量子情報に焦点を当てた池田の新たな長期プロジェクト「Superposition」と相関関係にある。この『Supercodex』のライブセットは2013年11月に東京で世界初演され、その後国際的なツアーも行われる。
Superposition
量子力学や量子情報理論からインスパイアされた池田亮司のプロジェクト。パフォーマンス作品と今後発表されるインスタレーション作品から構成される。パフォーマンス版では、池田の作品では初の試みとなる生身の身体(2名のパフォーマー)がステージに登場。合計22面のスクリーンが奥行きをもって配置され、ステージ上のすべての構成要素、サウンド、ヴィジュアル、物理現象、数学的概念、人間の行為そして無作為性は、重ね合わせ (Superposition) の状態となり、圧倒的強度で観客を包み込む。このパフォーマンスは、日本では2013年10月に KYOTO EXPERIMENT 2013 において初演された。
# RYOJI IKEDA の関連作品
Track list :
01 :: supercodex 01 / 02 :: supercodex 02 / 03 :: supercodex 03 / 04 :: supercodex 04 / 05 :: supercodex 05 / 06 :: supercodex 06 / 07 :: supercodex 07 / 08 :: supercodex 08 / 09 :: supercodex 09 / 10 :: supercodex 10 / 11 :: supercodex 11 / 12 :: supercodex 12 / 13 :: supercodex 13 / 14 :: supercodex 14 / 15 :: supercodex 15 / 16 :: supercodex 16 / 17 :: supercodex 17 / 18 :: supercodex 18 / 19 :: supercodex 19 / 20 :: supercodex 20
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