MINORU SATO の『NRF amplification』。m/s 名義や SASW 名義で、インスタレーション作品制作、音楽活動など幅広い活動を行っているサウンド・アーティスト佐藤実。本作は、形状や材質に依存した空間固有の共鳴である「Natural Resonance Frequencies (自然共鳴周波数)」を増幅したインスタレーションによる作品。

数本の同じ内径と長さを持つガラス管と、小型マイク、スピーカー、そしてとても小さなハンドメイド・アンプを用い、マイクでガラス管の内部の音を拾い、次のガラス管で鳴らす。そしてその音を拾い次へと音のリレーを作り、ガラス管自身の響きを増幅させ、それと同時にガラス管同士の間でフィードバックも形成される。そのためガラス管の位置やオーディエンスの動きなどに、高い周波数の共鳴音は瞬時に反応し、また、それぞれのガラス管の音量を微妙に調整することで複雑な変化を作り出すこともできる。このCDに収録されているのは６本のガラス管による演奏と、２本のガラス管と３個のガラス瓶による演奏の２タイプで、ガラス管固有の幅広い周波数にわたる共鳴を聞くことができる。