FILA BRAZILLIA / Retrospective 1990-2006 (CD)

FILA BRAZILLIA の『Retrospective 1990-2006』。フィラ・ブラジリアのベストワークスが全曲リマスタリングで登場です。4 HERO 等とともに、CLUB JAZZ という認識のCDマーケットへの浸透に大きく貢献した FILA BRAZILLIA の16年に及ぶ軌跡。

美しいダウンテンポ・トラックに、アフリカン・スキャットがはまる前半から一転、リズムがハード・ステップに挿し変わる後半への展開が見事な（2）、リズムこそブレイク・ビーツを刻むものの、DUB的手法の上モノが乗ることでクロスオーヴァーの新機軸を聞かせる（3）、シタールナどを用いて中東アジア風のアプローチの前半と、徐々にリズム体が乗るストーリー性が圧巻の（4）、一つ一つの音色こそ現在のものでありながら、構成で80年代ディスコをイメージさせながら、P-PUNKのりのギター・シンセ使いが身体を揺らす（6）、（7）、ハードステップ・ダブに彼ら流の飛び道具の入れ方が白眉の（10）、そして今まさにタイムリーとも言えそうな（11）は、サックス、シンセ、ハープなど美しい音色と、Lindstrom近辺の欧州のダンストラックの美的感覚が表現されたダンストラック。（12）は、アコギが安心感を感じさせる、ハウスビートに乗った健康的ロックトラックで、壮大なサンセットを連想させる、ドリーミンな一曲です。

Tracklist
1. The Sheriff 6:48 / 2. A Zed And Two L's 9:25 / 3. Harmonicas Are Shite 6:24 / 4. Soft Music Under Stars 9:46 / 5. Little Dipper 6:04 / 6. Apehorn Concerto 6:16 / 7. The New Cannonball 4:36 / 8. The Speewah 4:01 / 9. Dervish Controller 4:40 / 10. Motown Coppers 4:40 / 11. Thatched Neon 5:02 / 12. You Won't Let Me Rock 4:06 / 13. The Great Attractor 2:35 / 14. Nutty Slack 3:07