こうして生まれた本作におけるライヴ・エレクトロニクスとアコースティック・サウンドが生み出すシナジーは、素晴らしいハーモニーのみならず、楽器演奏をトラディショナルなものからニュー・ハイブリッドなスタイルへと進化させた。かつてクセナキスが自ら作曲した音楽の為に建築し、自らの建築の為に作曲をしたように最初の公演を行ったバービカン・センター設計図を入手し、建造物から着想を得たサウンドをプロダクション・アレンジメント上で融合させた後、ドラムマシンにおけるフィルター・エンベロップの反応のように解体するほどのオマージュ作品でもある。建築と生音とエレクトロニクスの関係を奏でたような、さらにダンス・ミュージックとしても機能する快作。
Actress x London Contemporary Orchestra | アクトレス × ロンドン・コンテンポラリー・オーケストラ
過去10年以上にわたり、アブストラクト・テクノやコンクリートR&Bのプロデューサーとして活躍してきたダレン・カニンガムことアクトレス。そして、スティーヴ・ライヒやテリー・ライリー、さらにはレディオヘッドからフランク・オーシャンとまで共演を重ねてきたロバート・エイムスとヒュー・ブラントがディレクターを務めるロンドン・コンテンポラリー・オーケストラによるコラボレーション・プロジェクト。2016年に英国政府機関であるイングランド芸術評議会と Ninja Tune の協力のもと、Boiler Room とロンドン・コンテンポラリー・オーケストラの企画によりバービカン・センター公演を実現。その成功をきっかけにテート・タンクス、モスクワのストレルカ学院での公演も大盛況のうちに終え、レコーディングを開始。2017年にはEP作品「Audio Track 5」をリリース。2018年5月にはアルバム『LAGEOS』の発表とバービカン・センターでの凱旋公演が決定している。
Tracklist
1. LAGEOS / 2. Momentum / 3. Galya Beat / 4. Chasing Numbers / 5. Chaos Rain / 6. Surfer’s Hymn / 7. N.E.W. / 8. Audio Track 5 / 9. Voodoo Posse, Chronic Illusion / 10. Hubble
REVIEW
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