GENTLE FIRE の貴重な録音を３枚のCDに収め2020年にリリースされた『Explorations (1970-1973)』。

GENTLE FIRE の『Explorations (1970-1973)』。GENTLE FIRE は、ロンドンとヨークシャーに拠点を置く作曲家、インプロヴァイザー、パフォーマーの６人 (その後5人) から成るグループでした。実験音楽、電子音楽、即興音楽のパイオニアをカバー演奏する彼らの、その録音はタイトル数もプレス数も少なく、ほとんど注目を集めてきませんでした。EMI から1974年にリリースされた主要作品は、ケージ、アール・ブラウン、クリスチャン・ウォルフによるグラフィックスコアの解釈を特徴とし、長い間絶版となています。他に実質的なリリースがなかったのも異常と言える状況でした。本作が実験音楽、電子音楽の歴史において、GENTLE FIRE が真っ当な評価を受け、適切な立ち位置を得る一助となることをレーベルは望んでいます。2020年のリリース。

GENTLE FIRE 既存アーカイブのほとんどは、グループのメンバーである Hugh Davies によって非公開で保管されていました。Hugh Davies が2005年に亡くなった後、それはさまざまな機関で共有されました。このリリースは、Hugh Davies の綿密な記録管理と、ロンドン大学ゴールドスミスの大英図書館および特殊コレクションのアーカイブのおかげでリリースに至ったようです。

GENTLE FIRE は、1968年から1974年にかけて活動し、特に70年代初頭に活動し、ヨーロッパの多くのアバンギャルド・フェスティバルに出演し、さまざまな実験スコアを演奏しました。彼らが本質的に引き寄せられたテキストとグラフィック・スコアには、作曲家の骨組みにプレイヤーが肉付けをするような、解釈の要素に大きな自由度がありました。彼らは当時これらの作品の作曲家と定期的に連絡を取り合っていたので、コンサートの場合、主催者が作曲家と同様の解釈を彼らに求めていました。現在では作曲家と直接接触しているグループの例は他にほとんどないため、そのような意味からもこれらの録音はとても貴重なものとなります。

このリリースは3つのセクションに分かれています。1970年から1971年の間に録音されたCD1には、グラフィックとテキストのスコアの4つのスタジオ録音と2つのコンサート録音が含まれています。

CD2と3は自分たちの作品に焦点を当てており、CD2は1973年にドイツの公共放送ラジオブレーメンで２日間の滞在中に録音されたものです。このディスクの５つの作品は、さまざまなスタイルをカバーしており、23分間の「Group Composition VI」が含まれています。これはテキストベース唯一の作品であり、処理およびフィルタリングされた音声が使用されています。

CD3は、ロンドンの「ラウンドハウス」で1972年8月に開催された伝説的なアヴァンギャルド・フェスティバル「ICES 72」での出演を録音したものです。混沌とした２週間の間に、世界中の膨大な数の実験音楽家がステージに上がりました。ここには奇跡的に GENTLE FIRE のコンサート全体が保存されています。それはグループ全てのメンバーが同時に演奏できる大きな金属彫刻を中心とした、｢Group Composition IV」のパフォーマンスで構成されています。

CDに付属の小冊子に含まれイベントの写真などが掲載されています。

Disc 1
1. Christian Wolff - For Jill
2. Karlheinz Stockhausen - Aufwärts
3. Earle Brown - 4 Systems
4. John Cage - Cartridge Music
5. Toshi Ichiyanagi - Appearance
6. Karlheinz Stockhausen - Treffpunkt

Disc 2
1. Stuart Jones - Ruthie's Piece
2. Michael Robinson - 2 Pianos Piece
3. Graham Hearn - Centrepiece
4. Richard Bernas - Almanac For September
5. Gentle Fire - Group Composition VI (unfixed parities)

Disc 3
1. Gentle Fire - Group Composition IV