GIANCARLO TONIUTTI の "La Mutazione"。M.B.の偉業と共に語り継がれるべきイタリアン・ノイズの名作 GIANCARLO TONIUTTI によるアルバム "La Mutazione"。80年代のノイズ・シーンを代表するレーベル "BROKEN FLAG" からリリースされていた作品。

世紀をまたがり語り継がれる由縁は、リリースの中心がカセットテープであったが故、今日では聞くことが非常に困難を極めると言う事と、加えてそのカセットテープのリリース郡に M.B.、CONTROLLED BLEEDING、RAMLEH、珍しいところで ANDREW CHALKE のノイズ模索期の FERIAL CONFINE 等の、今も影響を与え続ける才人たちの音を早期に拾い上げていたと言う確固たる実績がある為である。その BROKEN FLAG のレコードリリースは11作品と少なく、そのリリースの中にこのイタリア人作家 Giancarlo Toniutti の作品 『LA MUTAZIONE（85年リリース）』がある。

その後の作品で、Conrad Schnitzler との共作 『CAMMA（90年LP）』 や、ANDREW CHALKとのフィールドレコーディング共作 『TAHTA TARLA（93年）』で見せている裏方の緻密な音響工作とはまた違い、M.B.と時列を同じくしているためか鬱としたアナログシンセミニマルとオーバーエフェクトダビングが聴感覚を程良く麻痺させてくれる。そして電子音楽技術とコンクレート音の絶妙な構成は実に見事。

今回のCD再発は本人によるデジタルリマスタリング。オリジナルの各20分強の2曲に加えて、同時期84年製作・今回のリリースでの初発表である痙攣エレクトロシンセ宅録音源 (9分弱) も追加の3曲構成。