WILLIAM BASINSKI の傑作『92982』。記憶が長い時間をかけて朽ち果てるかのような、愁いを帯びたドローン・アンビエントに、まるで聴く側の時間も融け落ちて行くような素晴らしいサウンドです。

このアルバムはウィリアム・バシンスキーが1982年に録音した音源のCD化で、1982年のある夜、NYブルックリンにあるバシンスキーの自宅のスタジオで行われたライブレコーディング作品で、窓を全部開け放しで録音を行ったため、サイレンやヘリコプター、花火の音など街の喧噪音までも一緒にミックスされている。80年代初期作品同様、ピアノとテープを用いて制作。

トラック３は、2004年に「die stadt」からリリースされたアルバム「variations: movement..x」収録の variation#8 の元となった短いヴァージョンで、その後のバシンスキーの方向性がこの作品を録音した日に生まれたと言っても過言ではない貴重な音源。またトラック４はトラック１のリプライズとして、オリジナルのループを用い2009年2月に新たに録音された曲です。

Tracklist
1. 92982.1 12:54 / 2. 92982.2 22:45 / 3. 92982.4 19:59 / 4. 92982.3 7:07